院長のひとり言令和6年9月号
今回は膝関節の話をしたいと思います。
膝の痛みや正座が出来なくてお困りの方も多いと思います。
膝の痛みを主訴として来院された患者様に対して、膝関節にのみ施術をしても効果は
あまり期待出来ません。
当院の施術は、『筋(すじ)を治す』という方法ですので、膝関節周囲の筋(すじ)を治すのは
当然ですが、膝関節の大元の筋(すじ)は背中にあるので、背筋(せすじ)を治さないと根本
治療にはなりません。
また、『膝に水が溜まる』というのをお聞きになると思いますが、関節液というのは常に
新しいものと入れ替わっています。つまり、新しい関節液が作られ、古い関節液は廃棄
吸収される事が繰り返されています。
関節包内に炎症があると、その炎症を抑えようと関節液の量が増加します。しかしながら
吸収される量は一定ですので、膝に水が溜まるという結果になります。
一時的に水を抜いても、炎症が消えない限り同じことの繰り返しとなります。
当院ではこの様な症例に対して、筋(すじ)を治し、粘土湿布によって炎症を抑え治療しています。
変形性膝関節症という病名を聞かれたことがあると思いますが、この診断名はX線所見
による診断名で、関節裂隙の狭小化(関節の幅が狭くなる)と骨棘形成(骨のとげの様な物)
が主な所見です。この変形が原因で正座が出来なくなる事は、高度な変形の場合を除いて
ほとんどありません。正座が出来ない原因は、大腿部の筋肉が固くなり柔軟性が低下しているのが
殆どです。当院では大腿部の筋肉をほぐし治療しています。