院長のひとり言令和6年8月号
今回はばね指(弾発指)について考えてみたいと思います。
指は腱によって曲げ伸ばしをすることができます。手を握ったりする強い力を発揮する筋肉は前腕にありその力を腱が伝えます。その通り道で指を曲げる屈筋腱が浮き上がらないように押さえているのが靱帯性腱鞘(じんたいせいけんしょう)と呼ばれるものです。
丁度、その構造はベルトとベルト通しの関係に似ています。
この靱帯性腱鞘は指の部分にありますが、それが終わる指の付け根付近に力がかかり炎症を生じやすいところがあります。 その部分の腱や腱鞘が炎症を起こし、“腱鞘炎”になり、さらに進行すると引っ掛かりが生じばね現象が起こります。 これを“ばね指”と呼んでいます。
原因としては、手の使い過ぎやスポーツや指を多く使う人に多いのも特徴です。
糖尿病、リウマチ、透析患者にもよく発生します。
また、母指(親指)、中指に多く、環指、小指、示指にも見られます。
治療は、当院でも治癒することは可能ですが、1ヶ月~1ヶ月半位の期間が必要なので
1回の注射で治る整形外科の受診を勧めています。
整形外科では、腱鞘内ステロイド注射でほとんど治癒します。
それでも改善しない時や、再発を繰り返す時は、腱鞘切開術を行います。